2015年6月3日水曜日

帰国の報告・ブログを書き続けた理由

2ヶ月のHMS臨床実習を終え、2015年度組は無事帰国しました。



2015年度 HMS派遣組


アメリカでの時間の過ぎ方はあっという間でしたが、帰国するとマッチングや国試対策においてかなりビハインドな気がしてジレンマに陥っています。なので、本当は神経内科を回り終えた感想とかも綴りたかったけれども、それは報告書に書くとしてここでは割愛です。




2ヶ月間、自分は努めてこまめにブログを更新したつもりです。ブログを書いているのが自分ばかりで申し訳なさすらあります。
SOAPカルテ風に話すと、この"O"を見て、どんな"A"が導かれるでしょうか。


”この人相当暇だったんだな”
”やたら自己顕示欲が強かったみたい”



あらあら、そうなる前にちょっと"S"も聞いてくださいよ!



僕にとってブログを更新した理由はいくつかあります。2ヶ月の期間で5000アクセスを誇るそれなりのブログにしてくれた読者を裏切るまいという気持ち、親に心配をかけないため笑



けど最も大きかった理由は、自分が先輩たちのブログのおかげで最高の2ヶ月を過ごすことができたからです。私が1年生だった時からHMSブログは毎年学年メーリスやらで宣伝が回ってきました。その時は、”ハーバードのブログかぁ。眩しいな。”なんて思ってあまり読みませんでした。
しかし、5年になっていざ自分が行きたいと思うようになると、学内選考のために情報収集する必要があり、その時から過去のブログを遡るようになりました。そこから得ることができた情報量は膨大で、モチベーションを高めることにも大いに役立ちました。(何年まで遡れるのか是非検証してみてください!)


学内選考が終わり、希望の診療科リストを出さないといけなくなると、ここでもまたブログを復習することになります。過去の報告書もありましたが、どことなくブログの方が読みやすくて、素直な感想が書いてあるような気がしました。マニアックなelective coursesが並ぶ中、ブログに綴られた体験は実に貴重な情報源でした。
(どの診療科を希望するかは慎重に吟味するべきだと思います。自分は過去のブログ、自分の体験、他の留学生から聞いた体験から少しはお役に立てると思うので、いつでも相談しに来てください。)


そして、いざ旅たつと、そこでもブログは僕の心強い味方でした。最初の一週間、右も左もわからなかったり、バイパスポンプ中で暇だった時、過去の先輩たちはどのような毎日を過ごしていたんだろうと気になり、改めてブログを読みあさっていました。その後も困難を迎えるたびにブログを遡って指針をもらったり勇気付けられたりしました。こまめに更新されて苦難との向き合い方が見えるブログほどありがたいと感じました。
真面目な用途ばかりではなく、単純に楽しい出来事もありました。例えば、自分はボストンで地ビールの"Samuel Adams Lager"が大好きになったのですが、過去にはこのビールが好きすぎてビールの製造工場にまで赴かれた先輩がいました!!お会いしたい!!笑

今やTOEFLの点数とお金さえあれば、誰でもHMS Exclerkshipに申し込めるようになりました。そのような中で、医科歯科大学のメリットはこのブログに代表されるように経験談・ノウハウが豊富なことに尽きると思います。




このように僕はブログにとてもお世話になったのですが、過去の先輩たちにその感謝をどうすれば良いのでしょうか。

ボストンで出会った日本人医師の方が
”今自分がこうしてアメリカに来れていることは、偉大な先輩方の功績と信頼関係のおかげだ。しかし、自分はそんな先輩たちに何もできない。だから、その感謝の気持ちを自分は後輩に還元しなくてはならない。”
とおっしゃっていました。

この言葉をいただいた素晴らしい先生のされていることは、自分が書いているこんなちっぽけブログなんぞとは比べ物にならないのですが、それでも今の自分にはこれしかありません。また自分は帰国子女で、英語力に恵まれていた分浮いた時間も還元しなくてはという気持ちがありました。だから多少忙しくても、馬鹿な自分を晒すことになってもブログを書きました。
これでも、本当はもっともっと書きたいことがあったのですが、、、一番書き損ねたと思っているのは日本人の先生方との交流です。二回もBBQに誘っていただく機会がありとても楽しい思い出となりました。




以上が自分の"S"です。ちょっとでも"A"は変わったでしょうか。来年以降HMSに行く人の"P"が、”自分もブログを書く”になってくれたら嬉しいです笑。

トム




2015年5月28日木曜日

TOEFL ibt 100点必勝法!!

こんにちは。れいかです。
早いものでBostonでの実習もあと数日となってしまいました。
帰りたくない....笑 いまはMount Auburn HospitalのWalk in Centerで実習させていただいています。
この実習についてはまた今度書くことにして、今日はTOEFLについて。

海外での臨床実習を考えている人にとって、TOEFL ibtはこえなくてはいけないハードルでしょう。
少なくともわたしはそうでした。

HMSのホームページに、
Medical English proficiency  All international students, regardless of language of instruction, must call HMS for a telephone interview. In addition, all international students whose language of instruction in not English must provide a TOEFL score. Students whose English language skills are not proficient during the interview may be required to submit a TOEFL score. HMS requires a minimum TOEFL score of 100.とあるように、電話面接をパス(近年はかなりやさしいです)して、最低でもTOEFL100をこえなくてはまず応募できません...
詳しくはここをみてください。http://ecommons.med.harvard.edu/org.asp?exclerk

TOEFL ibtはリーディング30点、リスニング30点、スピーキング30点、ライティング30点の試験で、帰国子女ではない人にとって100を超えるのはかなり厳しいです。
内容も学問的な内容でちんぷんかんぷんなこともあるし、休み時間はリスニング、スピーキングの間の10分だけ、お昼ごはんを食べる間もないかなり過酷な試験です(;_;)

わたしのいままでの英語の勉強はこんな感じでした。
小学生 英会話を習っていて、文法もなにもわからないけど、スピーチコンテストにでたりしました。
中学生〜高校生 学校の英語の授業、大学受験の勉強
大学1年〜3年 大学の授業だけでほとんど自主的に勉強はしていませんでした。
大学4年 プロセメで4か月半トロントに留学

英語は得意科目で、大学受験のときの安定した得点源でしたが、長期で海外にいたのは4年のプロセメの期間だけで、英語のクラスも良いわけでもなかったです。

TOEFL ibtの点数ははじめと終わりでこんな感じ
2015/3/23 R23、L24、S20、W21、合計88
2015/12/6 R29、L27、S24、W24 合計104
90点は比較的すぐこえましたが、その後がほんとにきつかった....
わたしはどのセクションが特に低く、どのセクションがすごく得意というわけではなく、どのセクションも同じくらいで、あえて言うならスピーキングが少し低いくらいだったので、伸ばしどころが難しかったです。
104点をとれるまで何回か土日の時間貴重な時間とお金(このテスト1回で230$します....)を費やしましたが、できれば最小限の回数で100点を突破したいよね!!!

わたしなりにいきついた確実に100点をとれる方法は次の通りです。

みんなそれぞれ適した勉強法があると思うので、参考程度に読んでください。

リーディング、リスニングでとにかく安定して9割はとれるようになる。
(スピーキング、ライティングで25点以上をとるのはなかなか難しいです。)
スピーキング、ライティングも大きく落とさない程度に。

なので、なるべく本番に近い形式でリーディング、リスニングを毎日1セットずつ解くのがいいです。
わかならい単語があっても、テーマがなじみのないものでも不思議とコツがつかめて安定して高得点がとれるようになります。
単語全部覚えるのはきついので、この本付属の分野別の単語だけでもみておくと違うかも



スピーキングは誰しも苦手とするところかもしれませんが、各設問ごとに自分なりの型を決めておいて
(例えば、I agree with A. The followings are two reasons. First, ~. For example,~. Second, ~ Actually I~. In conclusion, ~など)
なるべく言葉につまってもたくさんしゃべりましょう。前日特にスピーキングの練習をして口が動くようにしておくのは重要です。

ライティングもなかなか高得点は難しいです。
まず、なるべくたくさんの字数を書くこと。For exampleなどを用いて自分の意見をサポートする具体例も書くといいです。
論理的におかしな文章になっていないこと。
ケアレスミスをしない。
同じ単語の繰り返しはさける。スペルが分かるならなるべく難しい単語を選ぶ。(例えば、「素晴らしい」だけでも、wonderful, amazing, marvelous, great, excellent, stunningなどたくさんあります)
仮定法、強調構文などの構文やイディオムをなるべくもりこんでわかってるアピールをする。
これができればそこそこはとれるはずです。
ライティングでも自分なりの型をきめておくことは重要です。

スピーキングでもライティングでも内容が思いつかないことはよくあるので、その場合は頑張って作り話をしましょう。笑

あ、あと試験会場ごとに環境にだいぶ差があるので、良い環境の会場を選ぶのも重要!!(お茶のソラシティはいいよ

TOEFL100点がなかなかとれなくて苦しんでいた私をサポートしてくださった先生方、FOCUSの仲間、友達、経済的に援助してくれた両親には本当に感謝です...(> <)

TOEFLを頑張っている後輩の皆さんの参考に少しでもなれば嬉しいです!

もう帰国間近なのにプレゼンはあるは荷物の準備はゼロでつみつみです...
残り少し走りぬきます!


怜花


2015年5月26日火曜日

5 Places You Must See in Boston

ボストンでの暮らしもいよいよ最後の週に入りました。
現在Memorial Day Weekendという3連休を満喫しております。


もうブログを書く機会もなくなるので、今日は趣向を変えてボストンの観光地について書こうと思います。ということで、トムの独断で勝手に5つの観光スポットをランキングしちゃいます。



まず5位

ハーバード大学 本キャン






言われなくても見るでしょうから第5位です!
写真はあえて、地球の歩き方だけじゃ見つけられないような景色の写真です。
白いのは図書館(ハーバードの学生の協力がなければ入れないかも)
木造のはマイケルサンデルが正義について講義しているSander's Hallです!!(この日中入れず)


あと、Social Networkを見た人は覚えてるかもしれません。Winklevoss兄弟が住んでいたPorcellian Clubの入り口です。ハーバード大の中で最も影響力があり排他的な"Gentleman Only"の組織らしいです。看板すらないところがお高くとまっていますね。
駅の近くなので見つけてみてください。



*観光客の間ではJohn Harvardの銅像の足に触って写真を撮るというのが常識ですが、ハーバードでは在学中に彼に尿をかけなければいけないという悪しき風習があるそうなので、触ったあとは手を消毒しましょう!







第4位

Freedom Trail




アメリカがイギリスから独立した時の歴史に深く関わる場所を散歩するコースのことを言います。400年くらいしかないアメリカ史の根幹をなす部分なので、歴史に疎い人も回っておきましょう。

Bostonで発行されるNew England Journal of Medicineがなぜ"New England"なのかを気付くこともできるでしょう。。。





第3位

Bostonのシーフード






アド街ック天国のようなまとめ方しちゃいましたね!ふふ

海に近いボストンの魚介は絶品です。
ロブスターに至っては、僕は現地の人にお隣Maine州のOgunquitという有名な避暑地まで連れてっていただき、目の前の海で揚がったものを食べさせていただきました。




第2位

Redsox vs. Yankees



伝統の一戦です!野球ファンじゃなくても一度は見に行かなくては!!!
僕たちの代は情報弱者だったので、一ヶ月前にようやくチケットを探し始め、とっても値が釣り上ったところで買う羽目になりました T_T
しかも最初の3回でヤンキースに8点入るわ、ヤンキースのマー君は故障者リストでレッドソックスの上原にも会えませんでしたが、それでもとてもいい思い出になりましたよ。





第1位

Charles River





5月のボストンの気候は最高です。現地の人が口を揃えて言います。
そんな季節の晴れた日は、ボストンのど真ん中を走るこの雄大な川で、思い切り遊びましょう!!同級生はサイクリングに集まる日がありましたが、あいにく僕は行けなかったので、病院の近くの施設でカヤックを借りて川を漕いできました。
流れが緩やかな小川ゾーンと、波が豪快なCharles Riverを楽しめます。1日中船を貸切で、ダブルカヤックが一人20ドルでした。


当たり前のように市の真ん中を流れている川なので、ついつい軽視してしまいがちですが、カヤックは目茶苦茶楽しかったので一位にしちゃいます。





勉強が忙しくて週末も遊ぶ時間を設けにくい科もあると思いますが、2ヶ月あるのでこの5つは要チェケラッチョです。


そろそろみんなも最後のブログを更新してくれるそうなので、こまめに確認してくださいね。

トム

2015年5月17日日曜日

5月 MGH Neurology 更新あり

お久しぶりです、トムです。

5月は、再びMGHで今度はNeurologyを回っています。




突然ですが変な写真をUpさせていただきます、失礼します。




餞別の品


こちらに来る前に友人にもらったものです。範馬バキという最強のヒーローからの教え、そして、こちらで優秀な学生たちの中で埋もれないための誰よりも派手なパンツです。





僕は今これらにすがっています。


いったいどういうことか。


現在のNeurologyには、5人のハーバードの学生と僕、計6人の学生がいます。


MGHのNeurologyはStroke, General, Neuro-Oncology, Pediatric Neurology, Consultの5班に分かれてます。各班とも学生、ジュニアレジデント4人、シニアレジデント1人、フェロー1人、アテンディング1人といった構成だと思います。




僕は最初の2週間をGeneralで、ハーバードの学生−というかMITとのたすきがけ臨床-研究プログラムで来ている人−と回りました。その名もフセイン。




この人、超できます。



MITで神経系の研究をしつつ医師免許を取りに来ていて、Neurologistになるつもり満々の学生です。歳は大差ありません。MITってだけでやばい気はしていましたが、よりによって専門かい。神経解剖の英単語すらまだ定着しきっていない僕にとってこれは非常に不都合なことでした。


何かを質問されると、全部答えられてしまうからです。



おまけにカルテのシステムを把握しきれていない僕とは対照的に、圧倒的なキャパでどんどん新患を担当していきます。




回診で輝くフセイン。会話をキチンと理解できているかすら怪しい、誰にも気付かれない自分。





僕はどうすれば良いのか。。。FOCUSでも、それ以外でも、この日のために勉強してきたはずだったのに。自分はどれだけ不勉強だったのだろうか。悔しくて情けなくて夜眠れないです。。。


まぁここまで思いつめていたのは最初の一週間で、今は慣れてきましたが、にしてもハーバードの学生はすごいです。中でも印象的だったことを3つシェアします。



1、めまぐるしく患者さんが入れ替わる中で常時4人担当するように頑張っている。
2、僕の担当患者さんについてまで論文を読んできて回診中に発表する。
3、日曜日に当直して、面白い患者さんを全部自分の持ち患にしている。




後半2つはもはや反則です!!
このような同期たちに追い込まれていたため、なかなかブログを更新する気力も湧いてきませんでした。
特に今週は、試験やらもあって忙しめです。うまくいったらどんな試験だったか報告ます。うまくいったら



ツカミは大袈裟なのに、ハイテンションを維持できず竜頭蛇尾な記事になってしまいました。
とにかく今週を乗り切ります。
ではまた!


2015年5月5日火曜日

Pediatric Nephrologyの総括

5月から新しいローテーションになりました。私はDiagnostic Radiology @ BIDMCで実習します。


Pediatric Nephrology @ MGH まとめ

実習内容については既に書いているので、そちらを参考にしてください。

実は私、もともと酸塩基平衡とか電解質異常とか体液バランスに関して苦手意識をもっていたので、あえて苦手なものに挑戦して克服しちゃおうという魂胆もあって腎臓内科を希望してみたところがありました。
でも、いざ腎臓内科の実習が始まってみると、病態の把握はもちろん治療のプランを言ってみて、などと初日から求められるレベルの高さに愕然として、「果たして1か月乗り切れるのかな・・・」と半ば弱気になりました。でも、Attendingの先生たちがかなり教育的で、わからないことに関しては懇切丁寧に教えていただいて、1か月で本当に色々なことを学ぶことが出来たと思います。


実習の良かった点
・教育的
どのAttendingも教育的で、質問には時間を割いて答えてくださり、時にはlectureにまで発展したり、質問に関する論文を教えていただいたりしました。また、発表の機会(roundでのプレゼン、外来でのフルプレゼンなど)もありました。


Attending以上の指導医と過ごす時間が多い
Attending以上の指導医しかいなかったので、基本的にAttendingと行動を共にしていました。また、他に学生やresidentなどもほとんどいなかったため、専門知識の豊富なAttendingから直接様々なことを学ぶことのできる恵まれた時間を過ごせました(と今になって思います)。

・派遣前トレーニング(FOCUS)をいかせる
派遣前の海外留学に向けた特別授業では問診、鑑別、プレゼンを重点的に練習していましたが、今回のローテーションでは病棟・外来共にFOCUSで学んだことを試す機会が多かったように思います。

・多数の症例
外来では毎日平均6人ほど(多くはfollow-up)来て、疾患は多岐に渡っていたため、腎臓内科におけるメジャーな疾患を広くカバーできました。

・メンター
とあるAttendingの方には非常にお世話になりました。というのも、毎週必ず実習内容について話し合い、よりよい実習にしようとしてくださったためです。また、わからないことや困ったことについても相談でき、温かく励ましていただきました。

・腎内以外の科も実習できることがある
あまりイベントがなく暇な時には小児救急などを見る機会も運よく与えてくださり、興味深かったです。

実習で大変だった点
どの科でも同じことが言えると思いますが↓

・電子カルテとバイタルサインなどを記録する用紙(医科歯科での温度板に相当する)
どんな情報がどこに書いてあるのかといった形式に慣れるのがまずは一苦労でした。

・略語
カルテなどは基本的に略語で書かれてあることが多く、類推できないものも割とあったため、いちいち調べたり聞いたりする必要があり、時間を要しました。

・薬の名前
これには最後まで手こずりました。特に、外来で患者にどんな薬を服用しているか聞いても聞き取るのが難しかったり作用がわからなかったりで、途中で断念せざるを得ないことがありました。

・平易な言葉で患者に説明する
問診など患者と話をするうえで、専門用語だとはあまり思わずに医学用語を用いて理解されないことがあったので、その場合に医学用語を平易な言葉で置き換えることが意外と難しかったりして、患者から正しい情報を引き出しにくいこともありました。

実習の改善を希望する点
個人的には、特にありませんでした。
強いてあげるとすれば以下の点があるでしょうか。

・マニアックな疾患を既往歴に持つ子が多い
小児科という科の性質上、先天的な疾患を抱える子も少なくないため、外来で実習しているとあまり聞いたことのない疾患に遭遇することがよくありました。

ハーバードの学生のレベルを伺い知る機会が少ない
私と同じ時期に腎臓内科をまわっていた他の学生はいなかったため、ハーバードの学生のレベルを伺い知る機会は少なかったです。(Noon conferenceなどで一緒に行動するので、その時にハーバードの実習の様子や知識の深さなどをある程度知ることは可能)

臨床留学に関する情報を得られにくい
Residentは基本的には学生の私とは違う行動をしていたので会う頻度は少なく、将来アメリカでのResidencyを真剣に考えている人にとっては、Residency programについて聞く機会があまり持てずキャリアプランを立てにくいかもしれません。
メンターにもなっていただいたDr. Sharmaと


放射線科は患者さんとの関わりが薄くて個人的にはさみしく思う部分もありますが、問診や身体所見のみではわからない病変部位を可視化して、診断に大きく貢献するという強みがあるので、次の1か月も引き続き気を緩めずに沢山読影したいと思います。ちなみに、今回はハーバードの学生も留学生も結構いるので、交流できて嬉しいです。

いが

2015年5月1日金曜日

Cardiac Anesthesia Rotation: A summary ②



②に続くなんてもったいぶってすみません、トムです。




①は、Tkd先生から「ブログを宣伝しても良いですか?」なんて頼まれたもので、少々真面目に書いてみました。




②では、僕が最初の一ヶ月、特に後半に個人的に意識するようになったことについて書きます。



実習の前半は、"Adapt"するのに精一杯でした。(自分のキャパ不足)

しかし、慣れてくると今度は自分を"Evaluate"してほしい、というか少なくともよく知ってもらいたいという気持ちが強くなりました。
普通にしていても充実していたのですが、4週間という期間があまりに短く、このままではお客さんのまま終わってしまうという危機感にかられるようになったからです。


しかし、Attendingは毎日コロコロ入れ替わってなかなか爪痕を残せない自分がいました。
外勤や研究にいってたり、病院にいても心臓外科麻酔以外のことをしていたり。
日本では毎日同じAttendingと顔を合わせていたので、なかなか慣れない感覚でした。


そこで、3週目にとうとう僕は思い切ってゴマをするAttendingを絞ることを決めました。
もちろんHeidiやFitzsimons先生には媚を売りますが、彼らがORにいる時はもう一人の留学生と仲良くShareするのでどうしてもExposureが減ってしまう。なので加えてこの人!






Dr. Koskiという先生。理由は、一番胸板が厚い先生だったからです!!
胸板が厚い先生って影響力ありそうじゃん?


ゴマをするといっても当たり前のことしか自分にはできませんでした。
ちゃんと患者さんの予習をする、早めにオペ室に行って準備を手伝う、めっちゃ挨拶する、質問する、最後までいる、同じORじゃなくてもすれ違ったら少しお話しする。。。くらい。

しかし、この当たり前さえ色々な誘惑や障壁があり僕には難しいものでした。
Koski先生がAttendingの日に違うORではすごく面白い手術があったり。CVなどの侵襲的な手技を最も経験させてくれるFitzsimons先生の勤務日とバッティングしてどっちのORに行くか迷ったり。ResidentがいないORに行くことが推奨されていたがKoski先生の部屋にはResidentがいたり。他にもバッチリ予習して行ったのにAttendingの日程が土壇場で変わっていてKoski先生がいなかったり。。。



また、麻酔科では学生が最も輝ける場面は手技だったので、Koski先生の前でIVや挿管は失敗されないというプレッシャーがありました。
とはいっても失敗してしまうこともあるのですが、その時は非常に詳細なフィードバックを頂き、全てをメモって復習して、二度と同じ失敗は繰り返しませんでした。





努力のかいあって、週2回もないチャンスを僕はなんとかものにし、段々Koski先生に信頼してもらえるようになりました。そうすると、自分に任される責任も増えてくるので楽しいです。




お別れの写真です。はい、近寄り難い先生みたいなToneで話してましたが、めっちゃ優しいサンタさんみたいな先生でした!ごめんなさい!


案の定、麻酔科の世界ではビッグネームだそうです。
最後に、もしアメリカに自分が来ようと思ったら、その時に推薦状を書いてくれませんか?と聞いたところ快諾してくださいました。特にMGHのICU Fellowship(全米屈指のICUプログラム)に興味があったら任せろっと言ってくださいました。 
(Fellowshipかぁ遠いなぁ笑)
このネットワークを生かせるかはまだわかりませんが、それでも自分の後半2週間がとても有意義だったと実感できた瞬間でした。



来年以降HMSに行く人は、もしこの留学で海外にネットワークを作りたいならある程度アピールする人を絞ってそこに全力投球するのが良いかと思います。今思うと、最初から先生たちについてもっとリサーチしておけばよかったなとも思います。
もちろん僕と違ってずっと同じAttendingと過ごすローテもあると思いますが、そうでないローテに当たった後輩に参考になればと思います。




おまけ

怜ちゃんも書いてくれてましたが、現在4月と5月の間の1週間休暇中です。
ラボの見学に行くもよし、USMLE Step II CSを取るもよし。
んー僕はNYで遊びました。








左はNYのパンケーキ。テーブルに置かれていたコーヒーやオレンジジュースをありがたく飲んでいたら、バッチリお金取られてしまいました。朝食に$53!?!?!皆んな気をつけてねT_T

右手はTkd先生がResidencyをされたらしい病院。

以上。

トム

2015年4月30日木曜日

80:20


 
 

水曜日の午前中はボストン小児病院で、小児膠原病内科の先生の外来を見学させていただきました。

 

小児膠原病内科医は全米でも数が少なく、ボストンより北の地域には一人もいないらしく、遠いところからはるばるやってくる患者さんもいらっしゃるそうです。

 

物理的に遠いことも一つの理由か、受診予約をしていても、キャンセルしたり時間になっても現れない患者さんも結構いらっしゃるとのこと。

 

この日も1人キャンセルでした。次の患者さんを待っている間に、先生が今まで歩んできた経歴に関して興味深いお話をして下さいました。

 

先生は免疫に関する研究を長年されていて、医者の専門を決める際も、「この研究をしたいから」この科を選ばれたそうです。

 

先生は、Residencyが終わった後のFellowship(専門医研修)でも研究をされ、その後のポスドクでも研究をされたとのこと。アメリカではFellowshipで研究をしっかりやるプログラムが結構あるそうで、その理由は、専門医としてその領域の学問を更に発展させることが重要であると認識されているからです。

 

今の先生の仕事は、研究が80%、臨床が20%という割合になっていて、それでも競争が激しい研究の世界で結果を残すには大変とのこと。そういえば、実習で回った他のクリニックでも、80-20の割合で研究されている先生がいらっしゃいました。

 

アメリカで研究する場合は、"Grant"(助成金)を自分で確保しなければならず、そこから研究室を運営する費用、自分の給料、雇った人たちの給料などすべてを払わなければなりません。自分のホームステイ先に一人研究者の方がいらっしゃいますが、その人曰く、ある程度実績を残した人でも、Grantが得られなければ研究することはできないとのこと・・。単に頭のキレだけでなく、絶え間ない競争に耐えうるだけの精神的なタフさが必要であると感じました。

 

アメリカに来て、日本ではあまり聞かない医師の進路について学べたことはとても貴重でした。特に、自分の専門の領域の学問を研究によって発展させていく、よりよくしていくという姿勢は自分も身につけたいと思います。